9月29日の産経新聞に= 風車回らず風力発電機低調、早大に2億円賠償命令 =の記事が掲載されていました。 

 要旨は、茨城県つくば市が小中学校に設置した小型の風力発電機が計画通りに発電しなかったとして、同市が計画を策定した早稲田大と風車を製造した大阪市のメーカーに約3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であり、裁判長は、早大に約2億円の支払いを命じた一方、市側についても「慎重な検討を迫られる材料がそろっていたにもかかわらず、早大側の調査結果をうのみにした」と落ち度を認め、賠償額を3割減額したものです。

 同市は平成17年、早大の策定した計画をもとに、市内の小中学校19校に風車23基を設置しましたが、実際にはほとんどの風車が回らず、予定の4分の1ほどの発電量しか得られず、設置費用のうち約1億8500万円の環境省の交付金を同市は18年、全額返還を命じられています。また、風力発電の装置の撤去費用は全額市負担で3千万円が支出されています。つくば市は結局1億3千万円と訴訟費用を損したことになります。税金が無駄に消えていったのです。

この問題は、僕が近江鉄道の不動産部長の時に、デンマーク製の風力発電の導入を検討したことがあるので他人事とは思えません。

風力発電は、温室効果ガスの排出が少ないことと、将来にわたって発電用燃料の調達リスク(コスト)が無いことが最大の長所です。一方、主に出力電力の不安定・不確実性と、周辺の環境への悪影響の問題がありますし、特に設置場所の選定によっての風況が事業の採算性に大きく影響します。

近江鉄道では県内の風量をすべてチェックして、常時10m/s以上の風速が琵琶湖周辺では期待出来ないし、風速が期待出来る伊吹山や竜王ゴルフ周辺でも、環境やその他の問題があり採算性は薄いとの結論を出して導入を見送ったケースがあります。

つくば市でも風速が不足している訳ですから、採算性から絶対に事業化するべきでないとの意見があって当たり前でしょうが、多くのチェックをすり抜けて事業化されてしまったのでしょう。

同じ風力発電の導入でも「官」と「民」の差を痛感するニュースでした。

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